脆弱さを知ったあとの話
先日の投稿では、人間本来の脆弱性やもろさを知ろうという話をしました。
脆弱性と向き合うとこは、自分自身と向き合う上での第一歩ですが、それには続きがあります。
人間は弱いからこそ、古い昔からコミュニティを築いて生きてきました。どんな時代であっても、どんな国であっても、人間はコミュニティを形成して生存しています。
人間のコミュニティのバランスが崩れるのは、人間の弱さを認めようとしない、自分の力や正義を誇示しようとする人が現れた場合です。
自分自身の脆弱さを知っている人がリーダーになると、その人は周りの人たちの力を借りて組織を健康に保とうと努力するので、そのコミュニティは完全に保たれていきますが、自分は一人で何でも出来ると思い込んだ指導者の場合、上下関係に圧力が加わるため、その人の元で働いたり活動したりするのはとても大変です。
脆弱さを知る、というのは、ただ自分の弱い部分を見てネガティヴになるのとは違います。むしろその逆なんです。
新訳聖書には、こういう箇所があります。
コリント人への第二の手紙 12:9
ところが、主が言われた、「わたしの恵みはあなたに対して十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」。それだから、キリストの力がわたしに宿るように、むしろ、喜んで自分の弱さを誇ろう。
自分自身が、自分以外の力によって生かされている存在であると知ると、おのずと感謝の気持ちに満たされるものです。そして、感謝を持った生き方をすると、周りの人にも恵まれた人生になるのだと思います。そのような人には、窮地に陥った時にも必ず助けの手を差し伸べてくれる人達が周りにいてくれます。
自分がすごい存在であると信じ、感謝を忘れた生き方をする人からは、お金や権力、地位に応じてのみ周りがついてくるため、それらがなくなった時、気づいたら自分の周りには本当の仲間が一人もいなかった、というような話は、皆さんも聞いたことがあると思います。
自分の脆弱さを知るということの先には、自分が生かされていること、支えられていることへの感謝があるのです。
親の立場でも、子の立場でも、この意識は同等に大切ですが、まずは親が実践してみるのがよいと思います。
自分が親でいられるのも、自分がそれまで誰かに支えられ、生かされてきたからこそ。子供を育てていくのも、周りのサポートがなければ難しいですよね。
弱いからこそ、人は人と助け合って、支え合って生きていて、人は誰も1人では生きていけないのだと、まずは大人がそういう生き方をすることが、次の世代にとって、生きやすい時代を作ることに繋がるのではないかなと思います。
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